【退職前にすること】家計の把握と最適化

早期退職

早期退職を計画するにあたり、まず月にいくら使っているのか、ここを正しく把握することがスタートラインです。また現代の生活において、家計管理は私たちの将来を左右する重要なスキルでもあります。退職後は給与収入がなくなるわけですから、支出を見直して家計を最適化することは、経済的な安定と豊かな生活を実現する鍵となります。しかし、多くの人が「何から手をつければいいのかわからない」「節約は我慢の連続」と考えがちです。

見直すべきは「固定費」

実は、家計の最適化において最も効果的なのは、日々の小さな節約ではなく、毎月決まって出ていく「固定費」の見直しです。今の生活レベルをそんなに大きく変えてまで小さな節約に躍起になる必要はほぼありません。
「あそこのスーパーの方がネギが20円安い」とか、そんなのは枝葉の部分で本質的なことではありません。これらは確かにわかりやすいのですが、実は「労多くして実少なし」です。本丸は「固定費」です。
固定費を一度見直すだけで、その効果は継続的に家計に恩恵をもたらします。しかも大きく生活レベルが変わるわけではありません。実はここには結構無駄が多いのです。
今回は、特に効果の高い4つの固定費削減方法について詳しく解説していきます。

サブスク契約の棚卸しと整理→いらないサブスクは即解約!

まず最初に取り組むべきは、サブスクリプションサービスの総点検です。動画配信サービス、音楽ストリーミング、クラウドストレージ、フィットネスアプリなど、現代の私たちの生活にはさまざまなサブスクが浸透しています。しかし、契約した当初は使っていても、時間が経つにつれて利用頻度が下がっているサービスは意外に多いものです。

まずは、すべてのサブスクを洗い出しましょう。クレジットカードの明細や銀行口座の履歴を確認し、毎月自動で引き落とされているサービスをリストアップします。この際、忘れがちなのがアプリ内課金やゲーム内の月額サービスです。スマートフォンの設定画面から、App StoreやGoogle Playの購読管理を確認することも忘れずに行いましょう。

次に、各サービスの使用頻度を正直に評価します。過去3ヶ月間で実際に利用したかどうか、そのサービスがなくても生活に支障がないかを基準に判断します。例えば、複数の動画配信サービスに契約している場合、メインで使っているもの以外は解約候補となります。

解約の際は、年払いで契約しているサービスについても注意が必要です。年払いの方が月払いより割安ですが、使わないサービスの年払いは結果的に大きな無駄遣いになります。解約のタイミングを逃さないよう、カレンダーアプリなどで更新日をメモしておくことをおすすめします。

一般的な家庭では、サブスク整理によって月額3,000円〜5,000円程度の削減が可能です。年間にすると36,000円〜60,000円の節約効果となり、これは決して小さな金額ではありません。

携帯キャリアの見直し→格安キャリアへ!

通信費は現代の生活において不可欠な支出ですが、同時に最も削減効果が期待できる固定費の一つでもあります。大手キャリア(docomo、au、SoftBank)を利用している場合、格安SIMへの乗り換えを検討することで、大幅な通信費削減が可能です。

まず現在の利用状況を把握しましょう。月間データ使用量、通話時間、利用している端末などを確認します。多くの人は自分が思っているよりもデータを使っておらず、また通話もLINEやSkypeなどのアプリが主流となっているため、大手キャリアの手厚いサービスが過剰スペックになっている可能性があります。

格安SIMの選択肢は豊富です。UQモバイル、楽天モバイル、IIJmio、mineoなど、各社がさまざまなプランを提供しています。重要なのは、自分の利用スタイルに合ったプランを選ぶことです。データ使用量が少ない場合は月額1,000円程度から利用可能なプランもあり、大手キャリアと比較すると月額4,000円〜6,000円の削減も珍しくありません。

格安SIMへの乗り換えで気になるのが通信品質ですが、近年は大幅に改善されており、日常利用において不便を感じることは少なくなっています。ただし、お昼の時間帯や繁華街では通信速度が低下する場合もあるため、事前に口コミや評判を確認することをおすすめします。

家族で複数回線を利用している場合、家族割引を活用することでさらなる削減効果が期待できます。4人家族であれば、月額15,000円〜20,000円の削減も十分可能であり、年間では180,000円〜240,000円という大きな節約につながります。

保険の見直し→解約!

保険は「もしもの時」に備える大切な仕組みですが、過剰な保険加入は家計を圧迫する要因の一つです。特に、保険営業員に勧められるままに契約した複数の保険や、必要以上に手厚い保障内容の保険は見直しの対象となります。

まず、現在加入している保険をすべて洗い出し、保障内容と保険料を整理しましょう。生命保険、医療保険、がん保険、介護保険など、重複している保障がないかチェックします。例えば、生命保険に医療特約が付いているにも関わらず、別途医療保険に加入している場合は重複保障となっています。

日本は国民皆保険制度が充実しており、高額療養費制度により医療費の自己負担額には上限があります。また、会社員の場合は傷病手当金制度もあるため、過度な医療保険は不要な場合が多いのです。独身で扶養家族がいない場合、高額な生命保険も基本的には不要です。

保険を完全に解約することに不安を感じる場合は、保障額の減額や掛け捨て型への変更を検討しましょう。貯蓄型の保険は保険料が高額になりがちで、投資効率も決して良くありません。保険は保険として割り切り、資産形成は別の方法で行う方が効率的です。

ただし、住宅ローンがある場合の団体信用生命保険や、自動車を所有している場合の自動車保険など、法的に必要な保険や実質的に必須の保険まで解約する必要はありません。重要なのは、本当に必要な保障を見極めることです。

保険の見直しにより、月額10,000円〜30,000円程度の削減が可能な場合も多く、年間では120,000円〜360,000円という大幅な節約効果が期待できます。

電気、ガス、通信費のまとめ→ひとつにまとめればお得!

最後に取り組むべきは、光熱費と通信費のセット契約による最適化です。電力自由化、ガス自由化により、消費者は自由に事業者を選択できるようになりました。この仕組みを活用し、電気・ガス・インターネットをまとめることで、トータルの固定費を削減できます。

まず現在の契約状況を整理しましょう。電力会社、ガス会社、インターネットプロバイダー、それぞれの月額料金と契約内容を確認します。多くの場合、大手電力会社や都市ガス会社との契約のままで、新電力会社やプロパンガス会社からの提案を検討したことがない人が多いのではないでしょうか。

セット契約の最大のメリットは、複数サービスをまとめることによる割引です。例えば、大手携帯キャリアが提供する光回線とのセット割引や、電力会社が提供するガスとのセット料金などがあります。また、請求書が一本化されることで、家計管理も簡単になります。

ただし、セット契約を検討する際は、個別契約の合計金額と比較することが重要です。「セット割引」という言葉に惑わされず、実際の支払総額で判断しましょう。また、契約期間の縛りや解約違約金についても事前に確認が必要です。

さらに、引っ越しを予定している場合は、移転手続きの簡素化というメリットもあります。複数の事業者との個別手続きではなく、一つの窓口で済むため、手間と時間を大幅に削減できます。

電気・ガス・通信費のまとめにより、月額2,000円〜4,000円程度の削減が期待でき、年間では24,000円〜48,000円の節約効果となります。

まとめ – 継続的な見直しで豊かな生活を実現

これらの固定費削減を総合的に実行することで、一般的な家庭では月額20,000円〜40,000円程度の支出削減が可能です。年間では240,000円〜480,000円という大きな金額になり、この資金を貯蓄や投資に回すことで、将来的な資産形成にも大きく貢献します。

重要なのは、一度見直しを行ったら終わりではなく、定期的に契約内容を確認することです。市場の変化や生活スタイルの変化に応じて、最適な選択肢も変わってきます。年に一度は家計の棚卸しを行い、必要に応じて契約の見直しを行いましょう。

固定費の削減は、我慢や制約を伴う節約とは違い、一度設定すれば継続的に効果が続きます。浮いたお金で趣味や旅行を楽しんだり、将来のための投資に回したりすることで、より豊かで充実した生活を送ることができるでしょう。今すぐにでも始められる家計最適化、ぜひ実践してみてください。

しかしこうやって実際に見直してみて、本当に必要なくて、いらんけど解約できないっていう厄介なものが実はあるんですよね。そうです。「NHKの受信料」です。本当にこれ、もはや害でしかない。なんとかならないものですかね~。NHKの人、そんな風に思われてますよ。

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