最近の日中関係に関して思うこと

日記・所感

最近中国が観光客に対して渡航制限をしたり、日本のアーティストの中国公演などを中止したり、水産物の輸入を規制したりと、なにかといろいろやっておりますね。
そして原因は高市首相の予算委員会での国会答弁にあると。そしてそれを撤回しろ言ってきている、という話ですが、日本国内でもそれについていろいろな意見が出ているようですね。

そもそもの話 ①予算委員会での答弁

高市首相の国会答弁について、多くの人、といっても主にリベラル的な思想、反高市的な思想の方に多いのですが、「あの答弁が原因で中国の機嫌を損ねたのだから、撤回するべき」みたいなことをのたまわっているようなんですが、これがそもそもおかしいですよね。
あれは立憲民主党の岡田議員の質問に対して答弁して、しかもその内容は何一つ間違ったことを言ってないわけですから、撤回のしようがない。撤回するということは、その答弁の発言が間違っていたということになるわけですから、「正しいことを撤回=間違ったことを発信」、ということになるわけです。
それ故に選択肢は「その通りに正しく回答する。」と「あいまいにしてごまかす」の二択だったのに、「撤回しろ」といってる人、そもそもの受け取り方を間違っているといわざるを得ません。

そもそもの話 ②朝日新聞のやらかし

朝日新聞がやらかしました。
朝日新聞の11月7日に、「台湾有事『存立危機事態になりうる』認定なら武力行使も」と報道しました。
必ずしも間違っている内容とは言えないのですが、見出しでもあって言葉が足りなすぎます。
そもそも台湾有事があって、米軍が出張ってきたら、日本も集団的自衛権の行使をもって米軍支援をする状況になりうる、という意味の話です。

あくまでもそういう状況になりうる、と言っているわけですが、一足飛びに「武力行使」といいました。

それは受け取る側からしたら、「日本は中国が台湾を攻撃してきたら武力介入するぞ。」と捉えられるに決まっています。朝日新聞はしれっと訂正していますが、ホンマにお騒がせです。ほおっておいていいのかコレ。

そもそもの話 ③台湾、中国と日本の関係

そもそもは日中国交回復の際の日中共同声明を締結する際に、日本は「台湾は中国の領土の一部」という中国の立場を理解・尊重する、という立場をとることを約束させられています。したがって表向き台湾を独立国家とは見なしていないし、国交も当然ないわけです。

表向きの話ですが、中国(中華人民共和国)はこれを重視しています。事実上は台湾は中国とは違う政体を取っており、事実上の独立国なのですが、中国との国交正常化に当たり、日本もアメリカもこの部分は握ってきたので、今までこの辺りはできるだけあいまいにしてやり過ごしてきたのです。

でも台湾は事実上日本にとって、周辺諸国で最大の友好国といっても過言ではありません。
日本ほど隣国がこまったちゃんばかりの国は他にないですからね。

中国にしても事実はどうであれ、この部分は絶対に譲れない線なわけです。だからあまりはっきりといってほしくないというのが本音だったと思います。それを朝日新聞が変な報道の仕方をして、薛剣総領事がちょっと大げさに反応してしまったため、大事になってしまったわけです。中国側も本音をいえば、答弁発言だけならスルーしたかったと思います。でもスルー出来ない状況にしてしまった馬鹿がいたために、反応せざるを得なくなったわけです。表立ってしまえば、中国政府は絶対に引くわけにはいかない、という事情があります。

そもそもの話 ④中国の野望

多くの人、特に今回の件で高市さんを批判している人たちは多分理解していないのではないかと思います。
それは中国の野望というか目的についてです。
中国は海洋進出するという絶対的な目的があるわけです。できれば太平洋の西側までを勢力圏に収めたいと。
これは中国の悲願です。これに対して最も邪魔になるのはどこでしょうか。

当然日本です。なにしろ沿岸部分の東側にベタッと存在しているわけですから。
中国にとって最も邪魔な国、それは日本です。まずこの前提を理解していない人が多すぎる。

そして海洋進出に関して最も要衝となる地点、それが台湾です。台湾は東シナ海の制海権、制空権を握る上で最大の要衝、最重要拠点なのです。
台湾には玉山という東アジアの最高峰もあります。台湾を押さえれば、東アジアで最も高い場所を押さえることもできるわけです。日本統治時代は「新高山(ニイタカヤマ)」と呼ばれており、すでに一度太平洋で戦争している日本と米国にとっては、台湾が最要衝であるという事実は了解済みです。
だから中国はそれほどまでに台湾は自国だということにこだわるわけです。

中国はフィリピンともいろいろともめ事を起こしているでしょう。それは海洋進出にこだわっているからです。
日本は領土こそ小さいですが領海や排他的経済水域を含めると世界でも有数の大国です。
しかも近年はそこに多くの海洋資源が眠っていることがわかってきており、技術の進歩によってそれらを実際に手にすることもできつつあります。
中国が現状で満足しないなら、当然これを取りに来たい気持ちはあるに決まっています。

尖閣諸島が中国領土だ、沖縄が中国領土だと無理やりなことを言ってきているのもすべて海洋進出が目的です。
中国側もそれが違うと当然わかっていながら、主張しないと手に入るものも入らなくなりますから、その無理やりな主張を絶対やめないのです。それが中国人というものです。

中国の脅威

こういう前提に立ってみれば、中国が台湾に対して何か事を起こす、それが成功すれば尖閣、沖縄に対しても同様に、というのはかなり高い確度でおこなわれると考えることができるでしょう。
だから中国が台湾に攻めてくる、日本に攻めてくるということは非現実的だと考えている人たちがいるかもしれませんが、残念ながらそれはそうではありません。あまりにも甘い考え方だといわざるを得ません。

今、中国が事を起こさないのは、起こしたところでまだ失敗するリスクが高いからです。もちろんそれは米軍が介入してくる可能性が高いからです。したがって失敗するリスクが減少して、勝算が高いと踏んで来れば躊躇なく行動を起こすでしょう。今はそういう危ういラインに立っているという認識を持っておくべきです。

中国が反日思想をあおって、国内で反日教育を行うのも、すべて海洋進出のため国内の世論を日本憎しに導くためです。感情的な話ではありません。すべて中国の利益のために計算ずくでやられているものです。
中国だけではなく、共産主義国家は共通して愚民政策をとりプロパガンダを多用するものです。自国民に対してはデマやプロパガンダで感情的に対立や憎悪心をあおり、自分たちが意図する方向へ民意を向けさせるものです。そういうことをきちんと理解していれば、彼らが何をやりたいのか、そのためにどういう方向へ民意を向けさせるようにしているのかわかるはずです。

背景を正しく把握する

今回の日中関係の悪化の件で、これまで述べた点を十分に理解していれば、高市総理の答弁を撤回しろとか、そのような意見にはならないと思います。高市総理の答弁についてのみいえば、問われたので現状に対しての政府の認識をそのまま回答しただけです。この認識は高市総理になってから変わったものではありません。今まで通りの政府の見解を答えたまでです。

今回の件でよくなかったのは、あいまいな回答を許さないように具体的な質問で総理に回答をせまった岡田議員、そしてこれまで通りに反体制の立場に立ってキャッチ―な記事を書こうとした朝日新聞、責められるべきはこれらであり、どう考えても高市総理の責任、という話にはならないはずなのです。

もちろん何らかの意図、つまりバイアスをかけて「高市が悪い」という方向にもっていきたい一部の人間がそうしむけているという面もあると思います。前にも記事で書いたような、「働いて、働いて」発言のように、論理的に考えたらどう考えてもそういう解釈には帰結しないはずなのに、あえてそっち側に解釈させる、というのは当然バイアスがかかっているせいです。

そういう特殊な意図を持った思想の方であれば仕方ないのですが、もし一般の方で、なんとなく「高市さんが悪い」、「発言を撤廃して中国との関係を修復すればいいのに」、みたいに考えている方がいるとしたら、申し訳ありませんが、もっとよく客観的に物事を考えてみてください。

ネットなどをみていても、音楽関係者や芸能関係者などでまだそういうことを言っている人たちが、いまだにぽつぽつと出てきています。もしあなたが扇動する意図をもって仕向けている人間でなければ、そういう立場の人間でもないのにそういう方向に考えてしまっているのだとしたら、自分は扇動されている、という風に理解するべきです。
自分が「愚か者」でない、と思いたいのなら、もう少し背景や状況をきちんとご自分で把握する努力をするべきです。

ネットでも話題になっていますが、このあたりの話は山上元駐豪大使の話が分かりやすいです。

まとめ

今回の件で正しく東アジア情勢を再認識しなおす機会を得た、つまり、中国が脅威であるということを再認識することができた、という意味では、かえって良かったかもしれません。
なぜなら、ウクライナ紛争があって、ようやくリアルに戦争が起こりうるということを認識できたにしても、今の多くの日本人にとっては、戦争とはやはりまだ非現実的なおとぎ話のようになっていると思えるからです。

しかし極東においてはそれは地震のように、いつ起こるかまでは予測できないけど何年のうちに確実に起こる、ということと同じように理解しておいた方が良いかもしれない、可能性の極めて高い話かもしれないのです。
もちろんあくまでも中国が自国の海洋進出のため現状変更を辞さないという方針を堅持し続ければですが。

あくまでも今は抑止力が利いているだけで、もし抑止力が無くなれば忽ちに現実のものになってしまうのです。

そう考えると、まだまだ日本人には危機感が足りないと思います。
高市総理の批判をしたいだけかもしれませんが、トランプ大統領来日の際にも、「トランプに媚びている、みっともない。」みたいな批判をしていた人もたくさんいましたが、率直に申し上げると、現状はトランプ大統領に媚びようが何をしようが、米国には極東情勢には積極的に関与してもらわないと、つまり抑止力になってもらわないと、日本という国が危ないのです。中国が台湾に何かしてくるのは、ほぼ確実とみて差し支えないです。
頭の中がお花畑なのはいったいどっちやねん、という話ですよ。

皆さんがどう考えているかは知りませんが、少なくとも私が見る限りでは、今の高市総理就任以来の政府は、何も批判されるに値するような間違ったことはしておらず、すべて適切に対応してきたという風に見て取れます。
批判される方は、私とは見えている景色や世界が違うのでしょうか。

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