以前の記事で触れました「夏目友人帳」の舞台となっている熊本県の人吉・球磨地域は、いわゆる「聖地巡礼」を行うアニメファンの間でも特に人気の地域です。というのも、そもそもこの地域自体が純粋に観光地として非常に優れた魅力のある地域である上に、「夏目友人帳」という人気のコンテンツとうまくコラボレーションできているからだと思います。
先日、台湾に旅行に行った際に、台北の居酒屋でバイトしていた大学生の女の子が「日本に行きたい。」といっていたので、「日本のどこに行きたい?」と聞いたら「人吉」と答えていました。このように、いまや外国の方にも人気のスポットとなっております。
作品自体のウリのひとつが、本作のやさしい雰囲気にマッチした美しい背景画であり、なおかつそれが実際の風景をもとに描かれている点や、地域が公式マップの発行やデジタルスタンプラリーなど積極的にコンテンツを活かした観光事業を進めている点などがこの「聖地巡礼のお手本」ともいえる成功例を実現しえたんでしょうね。
「るるぶ」からもガイドブックが出てるぐらいですし、「聖地巡礼」初心者にはうってつけの場所といえます。
かくいうこの私も、何を隠そう「聖地巡礼」初心者でございます。

今回巡った場所
今後行かれる方の参考になれば、ということで人吉への移動も含めた旅程全体を紹介しておこうと思います。
先ず人吉には鹿児島空港からレンタカーで軽自動車を借りて人吉に向かいました。鹿児島空港から人吉まではさほど遠くありません。九州自動車道を使って鹿児島空港から1時間かからないぐらいです。
せっかく人吉に来るんだから温泉も楽しみたい、ということで宿は「人吉温泉鍋屋」さんにしました。
非常に綺麗でスタッフさんも親切。いい旅館でした。


鍋屋さんを拠点に各聖地をそれぞれ巡っていくわけですが、3つの移動方法でそれぞれの場所を巡りました。
①徒歩による移動
②自転車(レンタサイクル)による移動
③車による移動
鍋屋さんは立地的に聖地巡りには便利な場所にあります。「HELLO CYCLING」のサイクルステーションも旅館にあって、自転車を借りるのもここでOK。ただし1台しかないので予約は必須です。

オレンジ色が ①徒歩 で、赤色が ②自転車 でまわったところです。青が ③車 でまわったところです。
「聖地巡礼タクシープラン」もありますので、そっちも利用すると便利かもしれませんね。
鍛冶屋町通り、人吉駅、人吉城址、田町菅原天満宮
■鍛冶屋町通り


鍋屋さんの正面がすぐ鍛冶屋町通りになっています。
3期 第2話「偽りの友人」の回で、夏目が柴田と歩いている通りです。
この辺りの界隈は通りを一つ入ったら居酒屋や飲食店が並んでいます。
夜は影絵を映してくれます。影絵は他にもいろいろあったんですが、なかなかきれいに撮れませんでした。
影絵はどこで映しているかは駅の観光案内所で教えてもらえます。
人吉駅からもそれほど遠くないですね。
夕方、旅館にチェックインしたあと、この辺りを散策してそのまま人吉駅まで足を延ばしました。


■人吉駅


人吉駅は駅舎自体は電車が走っていないので休業中という感じですが、観光案内所がきちんと開いています。
ガイドもたくさんおいてくれてますし、担当の方もいろいろ教えてくれます。
まずはじめにここを訪ねるというのがセオリーのようですね。私は夕方の5時ごろいったので、さすがにもう開いてませんでした。夕方なので駅舎にもうっすらと影絵が映し出されています。
ここは 2期第8話「不死の想い」で千津さんが蛍一さんを探しに来ている駅です。他にもちょくちょく登場します。


こちらは駅舎内の改札口です。
1期第9話「あやかし祓い」で名取さんを見送るシーンですね。ちょっと感じは違いますけど。
作品内では「何樫(なにがし)駅」となってたと記憶しています。
■人吉城址






人吉城址、田町菅原天満宮へは朝食前の散策ついでにぶらっと徒歩で出かけました。
人吉城址は 6期第3話「二体さま」で柴田が夏目に顛末を報告するシーンででてきます。
当日は少し天気が悪かったので残念でした。
■田町菅原天満宮


田町菅原天満宮は2期のオープニングで出てきますね。
ここも人吉城址から少し足を延ばせば十分に徒歩で行ける範囲ですので、わりと気軽に探訪できます。
作品には書かれていませんが、立派な赤い鳥居がございます。
お堂の中にはたくさんのニャンコ先生と友人帳も。
写真にはちょっとしか写ってませんが、絵馬もかざってあります。
天神様ですからね。


三日原観音堂、大柿毘沙門堂、紅取橋、天狗橋、栗林橋
■三日原観音堂


三日原観音堂は1期第1話ででてきます。
みんな大好き七辻屋があるはずのところです。実際にはないですけどね。

観音堂にはやたらと人懐っこいネコがいました。
スタンプ押すんなら俺に言えよ、ぐらいの感じで
そこに陣取っていましたね。
まわりをうろうろ見回ってたらついてきたりして、
なかなかかわいかったです。
3期第4話「幼き日々に」にでてきた、木の上の
妖怪が変化したネコにちょっと似ているような気
がして、癒されました。





またこちらのお堂は、私の好きなエピソードでもある4期第4話「代答」で、ヨビコが隆彦さんのふりをしてヨウコさんと会っていたお堂もここがモデルなんだそうです。
■大柿毘沙門堂・紅取橋


大柿毘沙門堂裏の石塔は2期第10話「仮家」で滋さんの回想ででてきます。後ろに見える橋は紅取橋です。
さらに向こうにかすかに見える赤い橋が天狗橋、ということになります。


毘沙門堂から紅取橋を望む風景は 7期第5話「ちょびの宝物」でも出てきますね。


石塔群は7期のオープニングにも出てきてるといえば出てきてます。
ここの大柿毘沙門堂は実は令和2年の7月豪雨で被災し、崩壊状態にありましたが、クラウドファンディングによる全国からの支援や行政の補助を受けて再建したのだそうです。
当時ご本尊の毘沙門天立像は一時避難されていたのですが、再建の際に以前の火災で焼失したと思われていた昔のご本尊が発見されたのだそうです。
それが右側にある黒い像です。
そして今はニャンコ先生とともに新旧の毘沙門天様が並んでおります。
いやー、作品の力とファンの皆さんの力は偉大ですね。

■天狗橋




天狗橋は作品中に何回も出てきているおなじみの場所です。やはり通学路設定ですから。
ここには 3期第2話「浮春の郷」と2期第5話「約束の樹」の画像を載せています。私の好きなエピソードでもある1期第10話「アサギの琴」にも登場しまして、「ジャノメさん」ことアカガネと出会う、というか、襲われて返り討ちにするという場所でもあります。
ここも令和2年の水害で壊れていたんですが、昨年11月に修復工事を終えてめでたく開通いたしました。
ニュースでも報道されていましたので皆さんご存じですね。復旧したてなのですごく新しいです。
ここは歩行者と自転車しか通ることができません。私が訪れた時はちょうど雨が降っていて、自転車で来ていた私は近くの木陰で雨宿りをしていました。雨宿りをしていると、タクシープランで巡礼していると思われる方が到着しました。どうやらタクシーは毘沙門堂側の橋のたもとで乗客を降ろし、車だけが別の道路を通って対岸へ移動するようです。乗客は天狗橋を歩いて渡り、対岸で再びタクシーに乗り込む仕組みになっているようでした。
私は自転車だったので、雨があがってからそのまま自転車で渡りましたが、車でまわる方は橋を渡ることが出来ませんので、橋を渡りたい方は考えた方がよさそうです。
まあ、ただ来た道戻ってくればいいだけのことですが。
■栗林橋


栗林橋は天狗橋を渡ったところから少し足を延ばしたところにあります。
球磨川に合流する馬氷川にかかる橋で、OVA「いつかゆきのひに」に出てきます。
ここから国道219号、国道445号を通っていけば、無事鍋屋旅館に戻ってこれるというわけです。
雨宮神社、晴山バス停、市房ダム、祓川橋(行けませんでした)、妙見神社、おかどめ幸福地蔵、一武八幡宮、大畑駅、宮地嶽神社
■雨宮神社






雨宮神社は4期のオープニングと6期のオープニングに出てきます。
観光スポットとして非常に有名なところですね。
入り口がちょっとわかりにくかったのですが、実は階段横に車が1,2台止められるスペースがあります。案内板には「駐車場」と堂々と書いてますので堂々と車を停めてもいいわけです。
私が入ってきた道は非常に道が狭く、こんなとこ通すか?という感じの道だったのですが、別に入ってこれる道があったみたいでした。
みなさんもグーグルマップのナビの無茶ぶりは経験があると思います。
こういうこともあろうかとレンタカーは軽自動車にしてて正解でした。


本当は7期のオープニングにでてくる、この風景を撮りたかったのですが、残念ながら場所が見つけられませんでした。
レイコさんの眼下に見える森が雨宮神社の森です。
このあとレイコさんが立ち上がり、振り返って夏目(孫)に手を差し伸べるというシーンなのですが、これがかなりエモいシーンで、非常に好きなのです。
■晴山バス停


晴山バス停は2期のオープニング、そして7期第5話「ちょびの宝物」で登場します。
バス停の中には実はスタンプ台も置いてありますし、おみくじとか友人帳も置いています。
ここも聖地としては外せないスポットですね。



同じく2期オープニングのこのシーン、晴山バス停の近くだと聞いていたのですが、結局場所が特定できませんでした。しかたがないので似たような感じの道を撮影してみたのですが、、、やっぱりちょっと違いますね。
■市房ダム


市房ダムは1期第6話「水底の燕」で登場します。作品では水が干上がっている想定でした。
記載した地図では一番右上にある水上村あたりです。結構遠かったんですが、ここまで足を延ばして来た目当ては、実は次のところにありました。
■祓川橋(行けませんでした)
行きたかったのは、この橋。こちらは「怪しき来訪者」の1シーンですが、田沼のお寺がある八ツ原にある橋ですので、作品中に何回も出てきます。
ここは市房ダムからさらに奥地にある市房山神宮に向かう道中にあるはずなのですが、その手前の市房山キャンプ場あたりから先は通行止めになっています。
まだ例の水害の復旧工事をしているようで、右下の写真のように、一般車両は通行禁止になっていました。
おそらくこの橋ももう壊れてしまっているのでしょうね。本当に残念です。
ただしキャンプ場まではちゃんと車で行けましたので、キャンプをする人は一度訪れてみてはいかがでしょうか。かなり綺麗で立派なキャンプ場でした。
outsideBASE mizukami


■妙見神社


こちらは多良木町にある妙見神社です。作品では劇場版「うつせみに結ぶ」で登場しました。
■おかどめ幸福地蔵


おかどめ幸福地蔵は、私の好きなエピソードのひとつでもある 3期第4話「幼き日々に」で登場します。木の上の妖怪がネコに姿を変えて夏目を探し回るシーンです。
おかどめ幸福地蔵は「おかどめ幸福駅」の真ん前にあります。
おかどめ幸福駅は駅名に「幸福」とつくめずらしい駅で、記念にきっぷを買う人も多いらしいですが、残念ながらこの駅は無人駅なのでここでは買えないようです。
駅のくせにやたらと駐車場が広くて、道の駅やサービスエリアのようなきれいな売店がありました。
たぶん隣接する「幸福神社」とよばれる岡留熊野座神社の駐車場と共有しているのでしょうね。
駅名といい神社の名前といい、幸福尽くしの場所です。


■一武八幡宮






一武八幡宮は 4期第5話「過ぎし日の君に」で夏目がユリコと出会う場所です。また、夏目を執拗に追いかけていた黒鎌の妖怪は見た目からどうやらここの狛犬さんだったようですね。トラックに轢かれそうになったユリコを助けたのがおそらくこの妖怪でしょう。
実際の本堂へ向かう階段は右のような感じなので、作品ほど広くて急な階段ではないです。

■大畑(おこば)駅


大畑駅は皆さんも大好きな子狐の住んでいる山の最寄り駅ですね。ということは滋さんが陶芸を習っている窯元の近くの駅でもあるわけです。したがって 1期第7話「子狐のぼうし」と3期第8話「子狐のとけい」で出てきます。
ちなみに窯元の安井さんのCVは1期と3期のエンディングをうたっている中孝介さんがやっていますね。


ちなみに 1期第5話「心色の切符」ででてきた「霧が沼駅」もここがモデルとなっているようです。


あとは6期のオープニングにもここの風景が出てきます。


さらに、多分 7期第6話「廃駅・二つの輪」で夏目が的場さんと出会った駅もここがモデルではないかなと思います。
また、この駅は駅舎内に名刺を貼れば出世できるということでも有名な駅です。ただ、私が訪れたときは名刺はほとんど貼ってなかった感じでしたので、定期的にはがしているようですね。
あとは、日本で唯一、ループ線とスイッチバックを併せ持つという稀有な駅で、鉄道マニアの方々にも超有名な駅だそうです。
右上の写真はホーム側からみた駅舎の写真。
右下の写真が例のスイッチバックというやつです。(多分)


■宮地嶽神社




宮地嶽神社は大畑駅のすぐ隣に赤い鳥居の参道があります。
大畑駅に車を停めて、そのまま徒歩で参道を上ります。
ここは 3期第13話「夏目遊戯帳」で「犬の会」が宴会をして影踏み鬼をして遊ぶところですね。作品の設定では八ツ原近くにある神社、ということになります。
ここは本堂裏からの景色が絶景でございます。
私が来たときは茅の輪くぐりをやっていたのか、お堂前に茅の輪が設置されていました。作法を読んでみたのですが、なかなか難しく、多分きちんと作法通りにできなかったと思います。
大畑駅も実はアクセス路が複数あって、片方はひどく細い道を通らされるというものです。車でお越しの際、グーグルマップのナビゲーションと道路案内標識が違う道を指していたら、迷わず道路案内表示に従うことをお勧めします。
まとめ
ここまでで、徒歩周回ルートは早朝、自転車周回ルートは午前中、自動車周回ルートは午後、ということで、ちょうど一日かけてまわることが出来ました。夕方にもういちど夕暮れの景色をとりに毘沙門堂まで行こうかなと考えましたが、結局やめておきました。
人吉の場合、自治体がきちんと夏目友人帳とのコラボをアピールして、しっかりコンテンツを作ってくれているので、いざ行こうとしたときに非常に情報が多くて助かりました。
また、そのあたりにないニッチな情報を補完する意味でも、この記事が少しでもお役に立てることができればなあ、との思いでこの記事を作成いたしました。
冒頭で見せた地図を貼っておきますので、もし参考になればご利用ください。







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